宝塚、そして時々競馬 石和田治樹のブログ

宝塚観劇感想、そして時々競馬のこと

今村聖奈騎手の今後を占う

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本格的な夏競馬が始まった。春シーズンを振り返れば、武豊騎手日本ダービー6勝目&史上最年長V、タイトルホルダーのG1連勝など、話題が多数。それらに負けない注目を浴び始めたのが、今村聖奈騎手栗東・寺島良厩舎=の活躍だろう。  7月3日のCBC賞・G3でテイエムスパーダに騎乗し、重賞初騎乗初制覇の偉業を成し遂げた。5日現在19勝。従来の女性騎手の1年目の勝利記録(9勝)も大幅に塗り替えている。  デビュー前から何度も取材しているが、その度に感心する。新人とは思えないほど、冷静で、堂々としているのだ。  トレセン内では、福永祐一騎手らに質問する光景をよく見かける。「本当に緊張しない性格」と自己分析するように、大先輩にも物おじしない。「緊張してしまうと、自分の聞きたいことが聞けなくなる。最終的に『これを聞いておけばよかったな』ってなるより、しっかり気になるところは聞く」。果たして、18歳で、ここまでの行動力を持てるだろうか。この貪欲さは、間違いなく強みの一つだろう。  さらに驚くのが、切り替えの早さだ。新人ならば、1勝で大喜びしてもおかしくない。だが、今村は良い意味で余韻に浸らない。「次のレースは携わる人が変わってくるので、自分だけ浮かれている状態ではいけない」と平常心を心がけている。負けたときも同じ。あえて時間を置いてからレース映像を見返すのもそのためだ。  「月曜、火曜はどうしても主観的。言い訳を探して、自分の中で腑に落とそうとする。絶対それだと伸びないと思う」  敗戦にも真正面から向き合う姿勢には、脱帽するばかりだ。「日を置いてパッと見た時に『やっぱりここダメだよな、直そう、もう同じ失敗はしないようにしよう』って思う」。デビューして約4か月で、既に勝負師のメンタルを身につけている。  今村より5歳上で、社会人としてもわずかに先輩の私。自分の仕事ぶりを省みて、思わず「尊敬します…」と本音が出た。しかし話を聞いていると、18歳らしい素顔も知ることができた。  オフの日は、家族ともあまり競馬の話はしないという。「寝るか、自己投資」で、休みを満喫している。髪を切りに行ったり、サロンで日焼け対策を行ったり、身だしなみにも気を遣う。同期とカラオケやユニバーサル・スタジオ・ジャパンで思い切り羽を伸ばすのも、気分転換の一つだ。  スーパールーキーにも、一人の競馬ファンに過ぎない時代があった。憧れは、武豊騎手。コラムも欠かさず読んでいたほどだ。もちろん、今でも特別な存在。「ゲートや返し馬で横にいらっしゃると『豊さんいる! やっぱめっちゃかっこいいな…』って」。レジェンドを語るときは、まるでファンに戻ったかのよう。きらきらと目を輝かせる姿が、印象的だ。  今後の目標を聞かれても、いつも「目の前に与えられたチャンスをものにするだけ」と謙虚な姿勢を貫く。しかし先日、初めて具体的な未来像について聞くことができた。「2歳馬でポンって結果を出して、次も乗って、重賞とか乗れたら…。またその馬との巡り合わせもあると思うので、狙ってます。自分で教えたことが競馬につながってくるから、愛着がわくと思いますしね」。多くの一流ジョッキーのように、デビューから手綱を執る一頭とG1を勝つ。今村聖奈なら、それも夢ではないと感じる。(中央競馬担当・水納 愛美)

頑張ってほしいが、女性騎手が不調に陥るのは大体落馬が原因。藤田も度重なる落馬ですっかり逃げか消極的な競馬に終始するようになり、過去には重症を食らって騎手生命を縮めた人までいる。今はいいが騎手という職業は必ず落馬長期休養などにより逆境に陥る時期があるので、真価が問われるのはそれからだろう。