宝塚、そして時々競馬 石和田治樹のブログ

宝塚観劇感想、そして時々競馬のこと

【雑談】家業を継ぐということ

昨年驚くべき早さで退団した方のブログをやっと発見。なんと家業を継ぐための退団だったと知る。創業50年超、父親が現在二代目社長で仮に一人娘だったにしても決断余りに早くないか、今まで宝塚に入るために費やした分を回収する必要はなかったのかと思わざるを得ないが、成績優秀だったため、そのまま続けていたら辞めるに辞められなくなる。まして今まで芸事しかやってないのだから、一から仕事を覚えるのは早ければ早いほうがいい。「家業」というのはそういうものなのだろう。

そういや先日こういうニュースもあった。

www.yomiuri.co.jp彼女の現役時代の頃はよく知らないが、経歴だけを見ると、花組へ組替え後新人公演ヒロイン二回経験し路線と思われていたろうが、研6であっさり退団している。この人にも家業があり、それも相撲部屋という特殊な業界だった。

有名な話だが、彼女の父親を含めた兄弟は全員力士になっており、「井筒三兄弟」と呼ばれていた。実父(次男)は相撲部屋を経営していたが、惜しくも急逝、長男は十両になったが大成せず既に逝去、三男は父親よりも出世し人気のあった力士で現在相撲部屋の親方になっているが、子供が連れ子で力士ではなく俳優の道を歩んでいる。そして彼女の祖父も昭和の名力士であった。

力士を引退した後親方になるには「年寄名跡年寄株)」が必要になるのだが、父親が死去した場合遺族、つまり彼女ら相続人所有ということになり、彼女が力士と結婚して婿養子にでもすれば、井筒部屋を再興できる、「家業」を継ぐにはもはやそれ以外に方法はなかったのだろう。実際昔からいずれ部屋を開くような実績ある力士の子供は男より女のほうが喜ばれるのが常だった。男が生まれても若乃花貴乃花のようになるのはほんの一握り、娘なら自分の部屋の部屋頭を婿養子にすればいいということで(失敗例も多いのだが)、彼女の早すぎた退団もそれ含みだったといえよう。

彼女らに限らず、家業があって退団後継いでいるジェンヌが結構多い。宝塚に入るため入ったあとに掛かる金は父親がオーナー社長なら出しやすいからか。